2007年11月26日月曜日

嫌なにおいや有害物質を吸着

備長炭の表面を顕微鏡で見ると、無数の細かい穴が開いています。

この穴こそが、備長炭のミラクルパワーの秘密です。

穴の直径は数ミクロンから数百ミクロン。

穴の表面積は、備長炭1gでなんと300㎡にも、ピーナツ1粒程度で、25×12mのプールとほぼ同じ広さがあるのです。

しかもこの穴は、すべて外界と繋がっているのが特徴。

炭の内部を気体や液体が通過した時、カルキ臭のもととなる塩素やトリハロメタン、様々な臭いの分子をミクロの穴の表面に吸着、取り込んでしまうのです。

炭を利用した消臭剤でもっともポピュラーなのが、冷蔵庫で活用されている活性炭です。

これはヤシガラを原料にした炭です。

備長炭は高価ですが、脱臭力が強く、他の用途にも使え大変重宝する炭です。


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2007年10月26日金曜日

古くて新しい炭の力

機械や化学文明に頼った快適な現代文明の弊害が叫ばれています。

そこで炭の持つ自然な力が見直されてきています。

農業では
・痩せた土壌の改良材として。
・炭、木酢液を利用した無農薬栽培。

自治体
・炭の吸着力を生かして河川の浄化。

暮らしでは
・消臭剤、除湿材。
・ホルムアルデヒト除去材
・シロアリ対策
・など

森林資源を余すところ無く使う日本の技術は、地球環境にも一役買っています。

効率よく炭を焼けば、多くの木を切らずに済みます。

又、燃料に適さない炭や木酢液は土壌改良剤として使えば、農薬を減らし、農薬を作る莫大なエネルギーの削減にもなります。

他に炭は、酸性雨で枯れた森を再生するなど、炭をめぐる新たなムーブメントは世界に広がっています。


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2007年10月18日木曜日

備長炭の製法は?


【備長炭完成まで10日間の作業工程】

風土が育てる最高品質。原料、窯、技術が結集された芸術品!!
白炭の中でも最高級品と言われる備長炭です。
金属にも似た硬い質感と独特の金属音、
そして炭の引き締まったずっしりとした重量感があります。
曲がりくねって硬いため、用材には向きませんが、木炭の材料としては最高です。


紀州備長炭の窯から



【馬目原木の伐採】
20~40年の成木のウバメガシを択木伐採。

【窯詰め・木詰め】(初日)
束にした馬目原木を窯の奥の方から詰めていきます。

【口焚き】(2・3日)
原木の水分を抜く作業。白い煙が出る。

【焼火】(4・5・6日目)
点火開始。

【精煉】(6・7日目)
炭化後、窯口を次第にあけて空気を送り、炭材の樹皮を燃やして赤熱させる。
窯の温度は800~1200度にも達しています。

【窯出し】(7・8日)
焼きの工程が済み、小量ずつ窯口から取りだします。
赤く美しく焼き上がった備長炭が姿を現します。

【消火】(8・9・10日)
炭床に集め、直ちに素灰をかける。
消粉をかけて冷やす備長炭としての最終作業へと進みます。

【備長炭の完成】(10日)
白炭の中でも最高級品と言われる備長炭の出来あがり!!

2007年9月12日水曜日

紀州の炭焼き文化


自然と共に暮らす知恵が生んだ、紀州の炭焼き文化
炭焼きというと、森林を伐採して環境を破壊するというイメージを持つ方もいらっしゃいますが、決してそうではありません。
山の木々は、人が手を入れないとなかなか育ちません。
木が成長していく過程で、定期的に人間が手をいれることにより、山を生かし、緑を生かすのです。
ウバメガシは紀南地方に群生しています。
また、庭園木として公園や家庭で広く愛用されています。
しかし、戦後はスギ・ヒノキに樹種転換した山が相当数あるため、原木林の育成が今後の課題です。
特に強調したいことは、治山治水、自然保護、環境保全のためにもウバメガシをはじめとする広葉樹林を育成しなければならない、ということです。
針葉樹のみでは山は荒廃し、山の動物達の生育環境の破壊にもつながります。
かつて、炭焼き人は、原木を求めて窯を移動させ、その間にウバメガシの再生をはかっていました。
まさに炭焼き人とは、山を熟知し大自然を読む技術に長けた人、であったのです。

2007年8月29日水曜日

備長炭とは


江戸時代の元禄年間に、和歌山県田辺市の備中屋長左衛門が作り始めたのが由来です。
材料に樫を使い、高温で蒸し焼きにし、窯の外で素灰と呼ばれる灰を掛けて消火するため、きめが細かい良質な炭になります。
一般に火力が強いと言いますが、本来は黒炭よりも低温で長時間燃焼しています。
煙が出ず雑味が付かないため、炭火焼を売り物にする料理屋(鰻屋、焼き鳥屋)などで重宝されています。
本来、樫による白炭のみが備長炭とよべるものであるが、製法等が広く伝わったことから、白炭全体に用いられるようになりました。

特に、産地については、見分けがつきにくいことから、外国製かつ樫以外の材料を用いているにもかかわらず備長炭と名乗るケースが見受けられました。こうしたことは、2004年、中国が森林保護を名目に炭の対日輸出を取りやめたところ、日本国内の備長炭の流通量が減ったことからも裏付けられます。

上記の通り、備長炭の定義が広がってしまい、かつ、偽物の流通もあるため、和歌山県産の備長炭を特に紀州備長炭と呼んで差別化をはかり、備長炭の品質・伝統を維持しています。
その様な中、2006年10月27日に地域団体商標制度の認定第一弾として、紀州備長炭が地域ブランドとして認定されるに至りました。

また、最近では燃料として使うだけでなくさまざまな用途に利用されています。たとえば、備長炭は無数の小さな空洞に化学物質を取り込むことができるために、飯を炊くときに入れてカルキ臭を取り除いたり、下駄箱に入れて靴の臭いを取り除いたり、部屋に置くことで空気を浄化したりするのにも使われています。また、備長炭は普通の黒炭よりもかたくて叩くと金属音がするため、風鈴や炭琴(たんきん、木琴のように楽器として使う)に加工することができます。

生産量日本一は和歌山県の旧南部川村だったが、平成の大合併後に日高川町となりました。