2007年9月12日水曜日

紀州の炭焼き文化


自然と共に暮らす知恵が生んだ、紀州の炭焼き文化
炭焼きというと、森林を伐採して環境を破壊するというイメージを持つ方もいらっしゃいますが、決してそうではありません。
山の木々は、人が手を入れないとなかなか育ちません。
木が成長していく過程で、定期的に人間が手をいれることにより、山を生かし、緑を生かすのです。
ウバメガシは紀南地方に群生しています。
また、庭園木として公園や家庭で広く愛用されています。
しかし、戦後はスギ・ヒノキに樹種転換した山が相当数あるため、原木林の育成が今後の課題です。
特に強調したいことは、治山治水、自然保護、環境保全のためにもウバメガシをはじめとする広葉樹林を育成しなければならない、ということです。
針葉樹のみでは山は荒廃し、山の動物達の生育環境の破壊にもつながります。
かつて、炭焼き人は、原木を求めて窯を移動させ、その間にウバメガシの再生をはかっていました。
まさに炭焼き人とは、山を熟知し大自然を読む技術に長けた人、であったのです。